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安倍政権のゆるみ

【安倍政権のゆるみ】
 少し前に、安倍総理が広島市の土砂災害中にゴルフをしていた、という報道がありました。

 日々明らかになる被害と土砂発生状況を読みながら、私が40年近く前、国鉄の可部線とバスに乗って芸北町まで行ったことを想いました。その途中の町と人家が斯くも広範に山崩れにさらされている。その時も今も、想像もしませんでした。

 8/20早朝に土砂災害の発生の知らせを受けて安倍総理は、政府に①政府の総力を挙げて被災者の救命・救助活動に全力で取り組む。②関係機関が緊密に連携し、住民の避難支援に万全を期す、などを指示して、その足でゴルフ場に向かったそうです。

 その後2時間ゴルフをしていて、土砂災害の拡大の知らせを聞いて森元総理に説得されてゴルフを中止し、夕方に総理官邸に戻ったが、そこで政府機関に指示を出して、また夕方に別荘に戻ってJR東海の葛西と懇談していた。以上が報道内容です。

 いろいろな意見が飛び交いました。

わたしは安倍総理の気持ちをかなりはっきりと想像できます。

【彼はゴルフがしたかった】
 彼は心底ゴルフをしたかった。だから災害対策の指示を出してすぐにゴルフ場に向かった。自分が出した「政府が総力を挙げて」の指示は、官僚か秘書が作った原稿を読んだだけ。「総力」の中に自分は入れてなかった。早くゴルフ場に立つことしか頭になかった。朝の7:30からゴルフを始めたというから、よほど早く起きてゴルフに心躍らせていたのでしょう。

 原稿は人格を正しく表現する時があります。集団的自衛権のためにテレビ演説をぶった時、安倍総理は自分で原稿を書き、自分でパネルを作らせて「まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない。そして、世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても、守ることができない」と心を込めて叫びました。

 その3ヶ月後のヒロシマ・ナガサキの原爆の日には、昨年とほぼ同じ原稿を使いました。(「唯一の被爆国民」を「被爆」に変えたそうです。広島・長崎・在外被曝者らが抗議して変えさせた、と原水禁大会で聞きました。ただ、私は昨年の原稿を知りません。)

 広島の土砂災害でも原爆慰霊式でも他人が作った原稿。でも戦争の演説には自ら原稿を作る。安倍総理の気持ちの入れ様と、人格がよく現れています。

【政権の慢心、ゆるみも見えてくる。】
 自民党の石破が次期内閣の「安全保障担当相」を断った、と報道されました。石破には安倍内閣が『乗ったら沈む泥の船』に見えているのか?

 株価の乱高下が止まらない今、アベノミクスに支えられてきた安倍人気が一気に崩れる不安を、資本と権力は感じているのだと思います。

【健康調査のあり方専門家会議など】
 環境省の福島原発事故の健康調査の「専門家会議【第7回】」の議事録が公表されました。津田教授らが御用学者を厳しく追及し、彼らの弱点が浮き彫りになりました。

 詳しいことは後日報告します。

急ピッチで進む環境省の「専門家会議」

【急ピッチで進む環境省の「専門家会議」】
 7月16日には環境省の専門家会議(「・・・・・・住民の健康管理の在り方に関する専門家会議」)がありました。

 環境省は、放射能健診100万人署名運動全国実行員会との7/25の交渉の際に、繰り返しUNSCEAR(国連科学委員会)と「専門家会議」の見解を持ち出して、福島県外で特段の放射能健診も医療補償も必要ない、と主張しました。→ http://hinankenri.blog.fc2.com/blog-entry-118.html

 その専門家会議ですが、座長が山下俊一と同類の長瀧重信ですから、その結論は推して知るべしで、環境省が頼りにするのもよくわかりますが、今回は岡山大学・津田敏秀教授らが「意見聴取」のために参加し、この会議の問題点が明らかになりました。

【津田教授の資料より(一部)】
→ http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01-08/ext04.pdf
津田図2-2.jpg津田図2-1.jpg
 福島県内の甲状腺がんの発見率を地域ごとに比較すると、明らかな地域差が見られます。特に、県内でも放射能汚染が低い会津・相馬地方と、「二本松市ほか」や「郡山市」、「白河市ほか」などとでは発見率に有意な差があります。(95%信頼区間CIの下限が1を超えている)。これは県内の放射能汚染と甲状腺がんの関連を強く示唆します。

 東京新聞(7/22)によると、この日の津田教授と長瀧/環境省の意見対立は、健康被害の実態をもとに判断するのか、被ばく線量評価をもとに判断するか、という点にありました。長瀧と環境省はUNSCEARの報告書をもとに、被ばく線量は100mSv以下で低いから健康被害が出るはずがないと決めつけて、他の意見を封じようと躍起になりました。『美味しんぼ事件』と同じ構造、そしてこれが彼らの弱点。自ら健康調査をしていないこと。健康調査もせずに「健康被害はない」と主張しても、住民と世論を黙らせられませんでした。

 そして今年度から福島の甲状腺検査が2巡目に入り、福島県立医大の医師らが言う「チェルノブイリで甲状腺がんが増加した」4年後に近づきます。甲状腺検査をやめさせたいとの意思が国の中に強く働いています。この「専門家会議」でも、「過剰診断」を理由に甲状腺検査を縮小させる議論が出ています。

 この専門家会議は1月に1回のスピードで開催され、今年内にも結論を出すもくろみ。早く甲状腺検査を止めたいのか?しかし県民や民衆不在のところで専門家が出した結論など、薄っぺらな隠れ蓑にしかなりません。すぐにほころびます。集団的自衛権の「安保法制懇」と同じ。

 川内原発のパブリックコメントは15日までです。安倍内閣にとって8~11月は大きな危機の時期。川内原発再稼働、消費増税と企業減税、米軍基地、残業代ゼロ法案が目白押し。安倍を追い出す闘いの時。安倍内閣もろとも原発/放射能政策を変えさせましょう。

 皆さんも、まずは再稼働を止めるためにパブリックコメントを。
→ http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198252311&Mode=0

6/10 福島県民健康調査検討委員会 甲状腺部会

 6月から8月上旬は、福島県での行動や署名提出、全国交歓会での討論、原水禁大会参加と、放射能健診署名運動の全国化、社会化のために各地を飛び回ったという感じでした。その報告はこちらをご覧ください。
→ 避難・移住・帰還の権利ネットワークHP/blog  http://hinankenri.blog.fc2.com/

 ところでその間に、福島県と国にいくつかの動きがありました。

【6/10 福島県民健康調査検討委員会 甲状腺部会】
 県民健康調査(いつ、なぜ「県民健康管理調査」の名称を変更したのか?福島県の担当課長に訊いたら、「『管理』は上から目線の印象があるので」今年4月に変えたそうです)の甲状腺調査を専門に検討する「専門家」の3回目の会合が、6月10日にありました。89人の甲状腺がん患者が発見されたことをどう評価するか?「原発事故の影響とは考えにくい」という公式見解の繰り返しではもう県民と世論の不信を抑えきれないと判断したのか?国と県は甲状腺部会で新たに「異常多発ではない」との理屈を持ち出すのに躍起です。
 
 その1つが、環境省が福島県外3県で行った甲状腺検査の「速報」。長崎市・弘前市・甲府市の子ども約4000人の甲状腺をスクリーニング検査して甲状腺がんが1人発見された、この発見率は福島と同じだ、という話です。この「速報」の評価はすでに4月6日のブログに書きました。要約すると、4000人の調査では有意差を検出するには少なすぎるが、調査した子どもの年齢構成を勘案して比較すると、福島県での発見率がより高い可能性【確率】が大きい、です。
→ http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/archive/20140406
 
 もう1つの問題は、福島県外の専門家らが「子ども全員の甲状腺検査は過剰診断で害の方が大きいから、やめるべきだ」と主張を強めていることです。

 今年4月から甲状腺検査が2巡目に入ります。2011年度に検査した子どもから順に再度検査するのですが、当然3年間のがん発見率の変化が現れてきます。「チェルノブイリでは4年後から甲状腺がんが増加」と言い続けた福島県立医大にとって、今からが調査の本番です。やめるわけにはいかない。しかしそれをやめさせたい連中がいる。

 渋谷健司という東大大学院教授がいます。医療分野で国益確保・・・などとグローバル資本・新自由主義の尖兵として主張と行動をしています。なぜ渋谷が委員に選ばれたのか?経過は知りません。環境省が送り込んだのか?

 その彼が先頭になって、甲状腺検査をやめろと主張しました。他にも同じことを言う委員がいます。今後の言い続けるでしょう。まあ、これが通るとは思いませんが・・・・・・。

 動画記録→ IWJ   http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146159

 これによると、渋谷はこう言って、甲状腺検査を妨害します。

 「今の検診が過剰診断や過剰診療につながると、子どもに手術の傷とともに心の傷物も残す。・・・・もしかしたら、必要のない治療もあるのではないか。」

 もちろん彼の主張の前提は、甲状腺がんは異常多発ではない、過剰診断(スクリーニング)で、見つけなくてもいいがんを見つけている、の認識です。これは津田教授らの分析により否定されますが、多くの専門家は判らないようです。(統計学が不得意だから、でしょうか?)

【甲状腺がんとその手術の実態】
 ところで重要なのは、渋谷に対する県立医大の鈴木眞一の反論です。彼は甲状腺調査の責任者の立場上(あるいは信念から?)、甲状腺検査を継続することを主張します。その中で、不要な甲状腺がん手術は決してしていないと強調しました。その記録映像では、リンパへの転移や声帯の障害がある事例もある旨の説明をしました。

 「手術で取らなくてもいい物まで取っているわけではない。声がかすれたり、リンパ節転移があるなど、治療が必要な人だけに処置している。」

 「治療しなくていい場合、いわゆる剖検例での甲状腺乳頭がんのほとんどは5ミリ以下だ。5~10ミリだと、取るべきものと取らなくてもいいもののグレーゾーンだが、明らかに悪性度の高いものは選んで細胞診をして、手術に至る場合もある。」

 この鈴木眞一の説明は、今年5月に公表された福島県の甲状腺検査結果と確かに一致します。甲状腺の2次検査が必要と判定された子どものうち、経過観察の後に細胞診まで進むのは40%程度(今後もう少し増えるかもしれない)。手術例のうちでガンの大きさは5.1~40.5ミリ、平均が約14ミリです。

 この日の部会の議事録がまだ公表されていないのですが、発見された甲状腺がんの状態が決して「放置しておけば消える」ような物ではないことを、鈴木は示唆しました。ただし彼はこの会議の席では詳細データの公表を拒否しました。

 一方7月25日の環境省交渉で、福島みずほ議員が「検診データを本人に、原則的に行政手続きなく渡すこと」を要求したところ、環境省は『福島県に口を出す立場にない』と言って逃げました。検査データの本人開示と公開は、福島で起こっていることを正しく理解するために不可欠です。逆に国は、知られると困ると思っている。だから隠すだけでなく甲状腺検査自体を中止させたいのでしょう。

 2重の妨害、とでも言うべき事態です。

 この日の議事録はもうそろそろ公開されるはずです。そして次の県民健康調査のデータ公表も。

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